この数ヶ月、旅人やノマドワーカーの移住先として話題になっているジョージア。
その勢いは、駐日ジョージア大使が旅人インフルエンサーのツイートを拡散するほどです。
最近、日本人の間でジョージア🇬🇪の住みやすさを求めて移住する流れが目立っています。🇬🇪は昔から地政学的に様々な地域や国の交点となっており、たくさんの人が🇬🇪を訪れる傾向がありました。そんな中、🇬🇪は宗教、人種、価値観の異なる様々な人を常に寛容に受入れてきて、新たな住処を提供してきました。 https://t.co/rHbDN218Xx
— ティムラズ レジャバ駐日ジョージア臨時代理大使 (@TeimurazLezhava) November 4, 2019
かくいう僕も、友達の発信をきっかけに、2019年9月に移住してガチで住もうとしているわけですから、ジョージアが魅力的な国であることは間違いありません。
とはいえ、SNSで発信されるのは良いことばかりで、悪い面はなかなか出てきません。
さらに言えば、「ここがスゴい!」と言われていることを鵜呑みにしすぎると、実際に来てみたら期待外れ…ということだってあります。
最初に言っておきますが、僕はジョージアでの生活にとても満足していて、気に入っています。だからこそ住む気でいます。
なのにこんなことを書くのは、様々な発信を見た人が移住や旅行という大きな決断をするにあたって、イメージ違いで残念な思いをして欲しくないから。
この世に「完璧な場所」なんて存在しないし、物事にはかならず裏表があるし、国が変われば常識も変わります。
そのあたりを僕の感想だけでなく、ジョージア人と議論した内容などもふまえて解説します。
まずは僕の属性を紹介:「旅人」ではない、ミーハー観光客です(移住したけどw)
海外、特に有名観光地ではないような場所をどう感じるかは、旅慣れしてるかどうかでかなり変わるでしょう。
「インドを経験しておけば、世界中どこでも大丈夫」なんていう話もよく聞きます(笑)
その点、今ジョージアを推してる人の大半はいわゆる「旅人」。
彼ら(に対する僕の勝手なイメージ)は、バックパックひとつで聞いたこともないような国を長距離バスで巡り、言葉の通じない地域でもその日の気分で歩き回り、大部屋のドミトリーに泊まったり時には野宿までして、ちょいちょい財布や荷物を盗まれても旅を続ける…という百戦錬磨の人々。
一方の僕はといえば、子供の頃にアメリカ在住経験があり、海外旅行もそれなりにしてきましたけど、観光地として有名な場所がほとんど。行く前にがっつりリサーチして旅行プランを練り上げ、最低でも3つ星ホテルに泊まるし、移動は飛行機とタクシー(ホテルで呼ぶ)、衛生環境や治安が悪そうなところは徹底的に避ける、典型的な「日本人観光客」です。
そんなわけで、僕はベテラン旅人勢の「ジョージア最高!」をそこまで信用しておらず、「彼らが大丈夫だからって、自分が大丈夫とは限らない」と今でも思っています。フットワークは軽いのでエイヤと移住は決行しましたけど、最悪「ムリー!!」といって日本に帰る可能性も想定していました。
今ジョージアにいる日本人でこういうタイプは珍しいと思うので、最近のジョージア推し発信を見て来ようとしている人の参考になればいいな…ということで書いてみます。
ジョージア滞在50日で感じた、いいこと&悪いこと
では本題。
ビザ無し滞在のユルさ・日本並みの治安の良さというこの2点だけでも、「”海外移住先としては”最高!」であることは間違いありません。
いいことはSNSでガンガン拡散されているのでサラッと済ませますが、ジョージアをdisる意図ではないですからね!
問答無用にスゴいこと
【ジョージア🇬🇪が最高な理由】
✅ノービザで1年間入れる(ほぼ永住権)🏠
✅日本人の99%は来ない(チャンス多い)🗼
✅生活費月5万円(地下鉄18円)🚇
✅ごはん美味しい😋
✅街中に温泉♨️
✅起業しやすい🏢
✅金利9%🤑
✅美人多い👰
これからは東南アジア→東欧・コーカサスの流れがきますね😇 pic.twitter.com/yw9traRtt0
— Zizi🇬🇪ジョージアの起業家🇬🇪 (@ZiziNomad) September 15, 2019
ビザ無しで1年滞在可能
やっぱり筆頭はこれです。
特に事前準備なく入国して、実際にしばらく住んでみてから永住するかをゆっくり判断できる国なんて他にありません。
しかも、一度出国するとリセットされて、再入国すればまたそこから1年滞在OK。ジョージアを拠点にヨーロッパ巡りをしたり、年に1回日本に一時帰国したりすれば、半永久的にビザ無し滞在が可能です。
※法律や運用がいつ変わるかは分からないので、そこは要注意
治安がいい
トビリシ市内では昼間はもちろん、夜中でも小まめにパトカーが巡回。駅には必ず警官がいます。
暗くなっても子供が遊んでいたり、街角のATMでは暗証番号を隠すこともなく現地の人がお金を下ろす。
海外ではNGとされる「荷物を置いてカフェの席確保」なんて、日本以外で初めて見ました。
詳細はこちらの記事で:
美人が多い(イケメンは??)
ぶっちゃけ僕は他人の容姿とか大して気にしないんですが、それでも美人が多いことは分かります。
ただ、イケメンが多いかというと「?」で、僕の中では「イケメン=ジャニーズとかライトなV系≒ちょいホスト寄り」なもんで、そういう男子は全然いません。
いいことだけど、期待しすぎは禁物
これ、結構ありますよ。
いいことであることは間違いないけど、いろんな発信を見てると「それは言い過ぎでしょ」と感じることもあるんです。
物価が安い
あんまり働きたくないひとに教えてあげたいのですが、
ぼくが東欧のジョージアで住んでいる家は
家具付きネット光熱費込みで3万円。2人用にひとりで住んでこの家賃です。
“その場にいなくていい仕事“で月5万円を稼ぐことが出来たら
ヨーロッパに住めるし、肩の力を抜いて働くことができます😊 pic.twitter.com/VTEvGQVrsv— KOH🇬🇪 (@Luck81O) October 29, 2019
ジョージアの物価は間違いなく安い。体感で日本の1/3~1/5ぐらいです。
でも、多くの日本人が月5万で生活できるかというと、僕は怪しいと思っています。
日本で月10~15万で生活できる人なら、ジョージアなら月5万で収まるでしょう。でも日本で月20~25万ぐらいかかっていた人(僕)は、月10万ぐらいは見ておいた方がいいです。
- 外食&デリバリーでジョージア料理以外のものを食べる
- 自炊でアジア系食材&調味料を使う
- Netflixとかの世界共通サブスクに課金
- 良いノマド作業環境整える
- たまにヨーロッパ旅行いく
…とかやってたら、さすがに5万円じゃ収まりません。
月20万(日本)ー月10万(ジョージア)=月10万浮くので、この差額を使っていろいろ楽しめることは大きな魅力です。
しかし、「お金ない/稼げないから月5万で生きられる国に行く」という発想だと、生存はできても生活の満足度はそこまで高まらないはず。
今後ジョージアが発展していくにつれて生活コストも上がっていきますから、月5万はあくまで最低ラインだと思っておくべきです。
(参考)2019年10月の僕の支出の一部
これはBank of Georgiaで作ったデビットカードの支出記録。2252ラリ≒8万円です。
ドイツ旅行での出費が混ざっているのでジョージアでの支出は5~6万円ですけど、僕はゲストハウスの宿泊費は先払いしてるので家賃&水道光熱費は含まれていませんし、日本のクレカで支払っているサブスクも別にあるので、この月の僕は確実に10万以上使ってます。
ごはんが美味しい
たしかにジョージア料理はおいしいし、トビリシならそれなりにいろいろな国の料理を食べることができます。
ただ、忘れちゃいけないのは日本は世界トップクラスの美食大国だということ。
別に、日本スゲー!!という話をしたいわけではありません。
ただ、そんな日本に慣れきった僕にとっては、ジョージア料理はおいしいけど週に1~2回で充分。他の料理も食べたくなる、ということです(実際そうしてる)。
メシマズ大国とされがちなイギリスやドイツなどと違って、多くの料理の味付けは日本人にも合います。
ただ、味の深みというか繊細さみたいなものはアジア料理ほどではなく、素材や味付けのバリエーションもそれほど多くありません。
肉+塩ベースの下味+香草(パクチー中心)でバリエーションを作る…という感じで、肉+カレー味+香草でワンパターンに感じるインド料理の考え方に近いといえば近いのかな?(考え方の話であって、味は全然違います)
エラそうに書いてますが、言うても僕も定番料理であるハチャプリ・ヒンカリ・シュクメルリ・オジャクリ・オーストリあたりしか食べてないので、まだまだ知らないメニューはたくさんあります。これだけで「バリエーションがない」と語るのは、ただ無知なだけとも言えます。
ただ、これを日本に置き換えてみれば、寿司・天ぷら・すき焼き・そば・お好み焼き。タイ料理ならタイカレー・トムヤムクン・ガパオライス・カオマンガイ・生春巻き。フレンチやイタリアンもバリエーション豊富です。
こんな感じで、世界には代表的な料理だけでまったく違う味わいがイメージできる料理があるわけで、それらと比べたらジョージア料理が単調なことは事実です。
また、他の料理を食べたくなった時も、イタリアン(ピザ&パスタ)・中華料理・タイ料理・インド料理・トルコ料理(ケバブ)・ちょっとヘンな日本食・大手ファストフード…あたりに逃げることはできますが、日本のバリエーションには敵いません。
世界的には上位のメシウマ国であるジョージアといえども、世界トップレベルに充実している日本の食生活が当たり前になっている日本人にとっては、期待しすぎは禁物ということです。
ジョージア料理に飽きたときの選択肢は、こちらの記事をご覧ください:
ヨーロッパへのアクセスがいい
近頃激安天国として
知名度があがってきた
ジョージアなんやけど
実は航空券もお安い
片道航空券を探すと
10,000円以下で行ける国が
いとも簡単に複数見つかり
ジョージアを拠点に生活し
好きな時に好きな国へ
ショートトリップっていう
面白いライフスタイルも
実現できちゃうなんて
最高に嬉しすぎる pic.twitter.com/E9A9tX2TrI— 旅丸sho🎒旅する経営者 (@tabimarusho) October 31, 2019
これも紛れもない事実。
僕自身、クルマ&ミリタリー聖地を巡りたくてヨーロッパ移住を目標にして、実はヨーロッパ主要国に住むよりもジョージアに住んだ方が結果的にヨーロッパ巡りがしやすくなることに気付き、移住を決断しました。
実際、移住1ヶ月チョイでさくっとドイツ旅行を楽しんで、このチョイスは正解だったと思っています。
そんなわけで、日本から行くよりはもちろん手軽だし、激安であることも間違いありませんが、めちゃくちゃ手軽かというとそうではありません。
ジョージアからヨーロッパ各国に行くときは、首都トビリシにある空港か、トビリシから西に200km行ったところにあるクタイシ空港を使うことになりますが、手軽さとコストを天秤にかける必要があります。
トビリシ空港:便利だけど安くはない
トビリシ空港は市内からタクシーで30分ちょい、地下鉄やバスでも1時間程度で行けます。
しかしイギリス・ドイツ・フランスといった主要国への直行便は少なく、その多くはLCCではないGeorgian Airwaysによる運航。お値段は往復4~5万円するのでそんな気軽には使えません。
一応、ヨーロッパ最強LCC・Ryan Airのミラノ(イタリア)便が就航し、2020年4月にはケルン(ドイツ)ともつながるので、今後使いやすくなる可能性はあります。
また、トルコや東欧諸国のLCCはいくつか飛んでいるものの、西欧主要国に行くには乗り継ぎが必須になり、お値段も2~3万はかかってしまいます。
クタイシ空港:激安だけど行くの大変
クタイシ空港は激安LCCのWizz Airが就航しており、ヨーロッパ主要国への直行便も充実しています。ここがジョージアからの激安ヨーロッパ旅行の拠点です。
LCCなので、時期を選べば往復5000円で行けることも。
また、Georgian BusとOmni Busという2つのバス会社から、トビリシを始めとする主要都市からフライト時間に合わせた直行バスが出ているので、行くこと自体は難しくありません。トビリシからの往復は約1200円と激安。
ただ、トビリシからの所要時間はバスで約4時間で、2+2列のバスで行くことになります。
格安高速バスに慣れているような人はどうってことないんでしょうけど(むしろ快適という人もいる)、僕はバス旅行は避けたいと思ってる人なので、LCCで4時間のフライトをするのと同じぐらい疲れました。
ヨーロッパへのアクセスまとめ
- 日本と比べれば、はるかに安いしラク
- 東欧に行きたい人には天国
- トビリシ→西欧①:ラクだけど4~5万かかる
- トビリシ→西欧②:乗り継ぎ1回なら2~3万
- クタイシ→西欧:バス4時間+フライトで7000円~
格安航空券の検索はスカイスキャナーが便利です。
人々が親切
よく言われているとおり、親日国。
見た目で「中国人か?」と聞かれることはありますが、日本人だと分かると、嬉しそうに黒澤明監督の話をしたりしてきますw
たまにヨーロッパの話として聞くような、アジア人であることで嫌がらせを受けたり敵視されたことは僕はありません。
(注:2020年2月の新型コロナウィルス騒動のときは、たまに通行人に「コロナ!」とか言われたり、口元を隠す仕草をされることはありました。)
ではその部分を抜きにして、ジョージア人同士のやり取りなんかを見て考えると、人としての親切さは「日本と同じぐらい」と僕は感じました。
日本人に対しても外国人旅行客は「礼儀正しくて親切」と言ってくれますが、日本に住んでると「そうかぁ?」と感じるじゃないですか。
親切さが出てくる場面はちょっと違うんですけど、同じようなことだと思います。
日本と同様、都会より地方の人の方が温かいとか、大手レストランの店員よりも小さな食堂のおばちゃんの方がフレンドリーとか、そういう違いの方が大きいと感じました。
こういう時に、日本人よりジョージアの人って親切だな~と感じます。
- 困ってる人には、見知らぬ相手でも超やさしい
- 大きな荷物を持っていると手伝ってくれたり、ドアを開けてくれたりする
- 幹線道路の真ん中で故障した車を、後続車の人が助けてあげようとする
- 電車でお年寄りに席を譲る率は日本より高め
- 自己紹介して握手すれば友達 → 一気にフレンドリーになる
一方で、トビリシの市街地やショッピングモールを歩いていると、東京と同じように他人同士は無関心(僕はそれ自体は構わないんですけど)。
親日的だし、いい人も多いですが、だからといって(少なくともトビリシでは)「町の人が笑顔であいさつしてきて、お店に入るとめっちゃウェルカム」というのは期待しすぎです。
ただ、僕が泊まっているゲストハウスの近くにある唯一の食堂にいる年配のスタッフ(たぶんオーナー夫婦)は、初訪問&出されたコニャックを断る(マジで飲めないため)僕に対してもビックリするほどフレンドリーだったことも、付け加えておきます。
ジョージアの悪いこと
念のためもう一度書きますが、僕はこの世に「完璧な場所はない」と思ってます。
これから書くことは僕がジョージアで実際にイヤだと感じていることですが、それでも僕はジョージアが大好きです。だからこそ、住み続ける気でいます。
ただ、SNSにあふれる良い話やキラキラしたことを期待して来た人が、「良いと聞いて来たのにイマイチだった」という感想を持ったり、それが転じて「ジョージアはクソ」みたいな話が広まって欲しくないから、敢えて書くことにしました。
もちろん、ジョージア全土・ジョージア人全員がこの「悪いこと」に当てはまるわけではありません。
ただ、割と頻繁に目にしたり、気になっていることなので、「一部の人のせいで全員が悪く見える」というやつではないと思います。
ではここから、「僕が気にしている順」に書いていきます。
マイペース・自己中心的
上で書いたとおり、困ってる人には非常に親切なジョージア人ですが、困っていない・友達でもない「周りにいる普通の人」に気を配る意識は少ないようです。
列に並ばない&割り込む
- スーパーのレジ
- 電車の乗り降り
- 空港の窓口・セキュリティ・税関・搭乗ゲート
- 整理券式の窓口でも油断ならない
ほんと、何食わぬ顔で割り込んできます(苦笑)
電車に乗る時も「下りる人優先」とか関係なく下りる人をかきわけて乗り込んでいきますし、空港で飛行機に乗るときの優先搭乗順も無視して入っていこうとします。ドルトムント空港(ドイツ)でのジョージア便の搭乗待ちでもそうでした。
そういうお国柄だと自覚しているからなのか、携帯ショップ・銀行・郵便局・役所の窓口などは整理券式になっていますが、ここでも油断なりません。
自分の番号を呼ばれたのに来なくて飛ばされた人がやってきて文句言ったり、対応してもらってる時に横から「すぐ終わるから」的な感じで割り込んでくることがあります。さすがにこういうケースだと窓口の人が追っ払いますけどね。
マイペースな歩行者たち
日本でも「ながらスマホ」で突っ込んでくる自転車や歩行者がいますが、ジョージアにはしっかり前を向いてるのに突っ込んでくる人がいます。
エスカレーターに連続して乗る時(1つめを下りて180度ターンして次のにまた乗るタイプ)なんかも、最短ルートを取ると反対側から来た人と交錯するわけですが、気にせずやってきます。
たまたま同じ方向に避けちゃって「すみませんw」となるのは仕方ないですが、明らかに避ける気がなさそうで、そこがよく分からないんですよね…。
どちらかが避けるルールでもあるのか、一種の駆け引きを楽しんでいるのか…?
運転が荒い
自己中心性の延長線上にあるのか、ハンドル握ると性格が変わっちゃうのかはよく分かりませんが、なかなか運転は荒いです。
煽り運転や無茶な追越しは日常茶飯事。追越しのためにはみ出した車より、対向車の方が路肩ギリギリまで避けたりスローダウンしてやり過ごすという暗黙のルールで事故にならずに済んでる感じがします。
歩行者優先の意識もほとんどなく、歩行者側がドキドキしながら強気に横断する構えを見せない限り、多くの車は止まってくれません。
逆に言えば、強気で行けばギリギリで止まってくれるんですけど、一歩間違えると事故なのでヒヤヒヤです…(苦笑)
サービスレベルの低さ
これまた日本のサービス品質は過剰に高いわけで、そのレベルを海外に求めるのは筋違いです。
なので、僕は「まぁ、これ(海外)が世界標準なんだろう」と受け入れ(≒あきらめ)ていますが、海外にあまり行ったことがない人にはかなり気になる部分なはず。
レストランで飲み物や料理が出てくるのが遅い
注文してから10分後にドリンクが出てきて、その20分後に料理が出てくるようなことはザラにあります。
調理に30分かかることはあるにせよ、他にほとんど客がいないガラガラのお店で、そのままビンで出てくるような飲み物が10分出てこないというのは、何かがおかしいと言わざるを得ません。
一度、とてもフレンドリーなお寿司屋さんで水を頼んだときに「すぐ出す?料理と一緒に出す?」と聞かれたので、ひょっとすると「飲み物と食事を同時に出す」という文化もあるのかもしれません。
ただ、先に書いたとおり、時間差があってもビン入りレモネードを出すだけで10分かかることもあるわけで、なぜそんなにかかるのかは謎です。ちなみに、ジョージア人でも10分は遅く感じるとのことでした。
今までいちばんドリンクや料理の提供が早かったのが、フレンドリーな老夫婦が回している近所の小さな食堂。
そう考えると、お店の規模・スタッフの人数・価格帯・客の態度などとはあまり関係なさそうです。
役所や銀行の係員・ショップ店員の知識や対応がイマイチ
- 引越荷物にかかる関税/消費税に関する質問をしたとき
- 税関を所管する官庁の窓口(Revenue Service)で、ホームページに記載されている内容を見せながら質問したら、「ここでは分からないから税関に行って聞いて欲しい」と言われた。
- 銀行のデビットカードが使用不能になったとき
- 行員Aには「カードのICチップに問題があるから再発行が必要」と言われ、行員Bには「カード自体には問題ない」と言われた。結果的にカード再発行(番号も変更)でトラブルは解消したから、結果オーライではあったけど…。
- 家電量販店でUSB-C to USB-Aケーブルの在庫を聞いたとき
- 「ない」と即答されるも、んなわけないでしょ…と思って探してみたら、普通にあった。
まぁ、人間は完璧じゃないですし、ひょっとすると言葉の壁(英語は日本人にとってもジョージア人にとっても、普段使わない外国語)かもしれませんから、僕はそこまで問題視してません。
ただ、「大して調べもせずに、いい加減なこと言うなよ…」とは思いましたね。
物乞いが多い
年金制度が破綻して消滅(!)した結果、人通りの多い道には物乞いが目立ちます(なんとなく高齢女性が多い)。
また、地下鉄の車両の中にも時折「恵まれない子供に愛の手を」的なボード(ジョージア語読めないので、写真からの想像)を持った成人や、ちょっとしたバッジやお菓子を勝手に渡してお金を要求する子供も現われたりして、なかなかに厄介。
ジョージア人の友達に聞くと「お年寄りにはあげるけど、若い人は働くべきだし、子供は大人に利用されてるだけだから渡しちゃダメ」とのこと。
ただ、どのタイプの物乞いに対しても一定数のジョージア人がお金を渡している光景を目にします。
最高額のコインでも2ラリ(73円)ですから、日本人的には渡してもどうってことないと思いつつ、万が一カモだと目を付けられて複数の物乞いに囲まれたりするのもイヤなので、僕は渡したことはありません。
また、物乞いではないのかもしれませんが、ストリートパフォーマーも結構います。中には地下鉄車内で歌ったり楽器を演奏する連中までいて、ムダに爆音なので迷惑ですw
喫煙者が多い
老若男女、喫煙率は高いようで、歩きタバコやポイ捨ては当たり前。
これはなかなかに不快なんですが、一方で意外と屋内やレストランの完全禁煙率は高く、日本とどっちがマシかと言われると微妙なところ。
「No Smoking」と書かれたタクシーの運転手が、自らタバコ吸って運転していたときは笑いましたw
野良犬が多い(ちなみに猫も多い)
なんでも野犬は殺処分せずに、去勢手術と狂犬病対策だけして町に戻すという仕組みらしく、結構な数の野良犬がいます(対策済みの犬は耳にタグが付いてます)。
道徳的にはすばらしい取り組みですが、街中にはたくさんの野良犬がいて、犬の糞もちょいちょい落ちてます。
それぐらいなら許容範囲で、昼間はほとんどの犬は寝てるのでこれといった害もないんですけど、夜になると群れて吠えながら後をついてくるようなヤツらもいるので、ちょっと怖い。
犬が苦手な人は、夜のトビリシを歩くのは避けた方がいいでしょう。そのレベルです。
地政学リスク(ロシアとの戦争リスク)
ジョージアでは、南オセチアとアブハジアという2ヶ所の地域(国土の約20%)がロシアに実効支配されています。
歴史的ないきさつや、2008年の南オセチア戦争の結果なんですが、ともかくロシアとの関係は険悪。
ジョージアはNATOとEUに加盟することで安全保障体制を確立させたいと願う一方、ロシアはそれを絶対に許さないという構えを見せていて、一歩間違えばロシアがクリミア半島(ウクライナ)を一方的に併合したように、ジョージアに対して軍事行動を取る可能性もゼロではありません。
これがおそらく、ジョージアにおける最大の危険要素です。
…とはいえ、「絶対安全な国」なんてありません。
日本では戦争リスクは低いですが、大地震や津波、富士山の噴火などの災害リスクはあり、戦争・治安・災害リスクを考慮したランキングである「World’s Safest Countries 2019」によれば、調査対象128カ国中、日本は43位でジョージア49位と、大して変わりません。
このことから、僕自身はリスクとしては考えていません。
まとめ
ここまで長々と、SNSで良いところとされる部分の補足、良いといわれているけど期待し過ぎちゃダメよという注意喚起、SNSに現われない悪いところを、「旅人」属性ではない僕の目線で書いてみました。
定番観光地への旅行を一通り楽しんで、次の旅先としてジョージアを考えているような人や、初の海外移住先として検討している人の参考になれば幸いです。
僕が日々ジョージアで感じていることはTwitterで呟いてるので、ぜひそちらもフォローしてください!
コメント
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